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美食と環境
今号のテーマは『美食と環境』です。
世界で1000人を超える食の識者の投票によりランキングが決まる「世界のベストレストラン50」や、100年近い歴史を持つレストランの格付けガイド「ミシュランガイド」に選出される有名レストランにおいて、近年、食のサステナビリティを重視する潮流が広がっています。
「ミシュランガイド」では、持続可能な取り組みを行っているレストランを「ミシュラングリーンスター」に認定する仕組みを2020年から始めました。
気候変動が加速化し、食材の調達が変化したり、食品ロス、フードマイレージなどさまざまな課題がある中で、レストランには美食の提供だけでなく、サステナビリティをどう捉え、美食に取り入れるか、シェフの手腕が問われているのです。
今号では、フランスのミシュラン3つ星レストラン『Mirazur(ミラズール)』を率いるマウロ・コラグレコシェフによる、日本初のレストラン『CYCLE by Mauro Colagreco』にお話をうかがいました。
CYCLE(スィークル)はフランス料理を基本としながらも、新しい感覚の“循環型ガストロノミー”を提供しています。つまり単なる料理や食事を超えて、食材の選び方、調理法、提供の仕方、そしてそれらが地域や文化とどのように結びついているかまでを“循環(Cycle)”というコンセプトで表現しています。