EC物流とは?ECならではの課題と解決例もご紹介

EC物流とは?ECならではの課題と解決例もご紹介
ECを安定的に運営していくためには、ECの物流を常にスムーズな状態に保ち続けることが理想的といえます。

しかし、一朝一夕に達成することは難しいでしょう。
まずはEC物流においてどの業務フローがスムーズではないのか、問題点を洗い出していく必要があります。

そこで本記事では、EC物流における業務フローを改めて紹介の上、よくある課題と解決方法についてご紹介していきます。
自社のEC物流の改善を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ネット通販を扱う企業には欠かせないEC物流の基礎知識

ネット通販の普及によってECを行う企業が増えています。
ECの運営には消費者が使いやすいウェブサイトの整備が必要ですが、
EC物流の整備も「製品を届ける」という観点で消費者にとって重要な要素となります。

ECとは

ECは、Electric Commerceの略語で、eコマースや電子商取引とも呼ばれるインターネットを介した通信販売のことです。
経済産業省の調査によると、2020年の物販分野を対象としたBtoC-EC(消費者向けEC)におけるEC化率は8.08%で、
前年比1.32ポイント増加しています。

参考:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html

特にコロナ禍においては外出の機会が減少したため、ECを利用した商品の購入が活発化した背景があるでしょう。

EC物流とは

ECでは、入庫〜配送までに複数のセクションを経ることが必要です。
この流れのことを「EC物流」と呼びます。
EC物流は、自社で運用することもできますが、業務を外部に委託するアウトソーシングを採用するケースもあります。

EC物流の特徴

EC物流を前述のBtoC-EC(消費者向けEC)と仮定した場合、特徴としては下記の3つ挙げられます。

  • ① 1件あたりの配送数が少なくなりやすい
  • ② 配送先が多くなりやすい
  • ③ ギフトなどのオプション対応が必要

それぞれについて解説していきます。

① 1件当たりの配送数が少なくなりやすい
② 配送先が多くなりやすい

 

対面や電話等による販売に比べると、ECではインターネットを介する分、消費者にとって非常に手間が省けます。
基本的に購入先とのやりとりは生じず、消費者の都合ですぐに購入が可能です。
消費者にとっての購入ハードルが低いということはECのメリットになりますが、
一方ですぐに購入できる分、1回あたりの購入数も少なくなりやすいといえるでしょう。

近年では配送料無料のサービスが多く、購入金額がある程度安くても(≒購入する商品数が少なくても)
配送料がかからないことが大きな要因ともなっていると思われます。
配送を手配する企業にとっては「1件当たりの配送数が少なくなりやすい」ことがEC物流の大きな特徴のひとつといえるでしょう。

併せて、すぐに購入できる分、購入者の数が増えて配送先が多くなりやすい特徴もあります。
「まとめ買いではなく都度買い」の機会が増えることも加味すると、同じ宛先に何度も配送する回数が増えやすいとも考えられます。

③ ギフトなどのオプション対応が必要

 

対面や電話等の販売においても、ギフトラッピングをはじめとしたオプション対応はありますが、ECにおいても当然ながら発生します。
特にECにおいては前述の「配送先が少なくなりやすい」「配送先が多くなりやすい」条件下で
イレギュラーなオプション対応が入り乱れる点が特徴といえるでしょう。

例えば季節に合わせたギフトラッピングの場合、年末などの複数のイベントが重なる時期においては
ラッピングの種類が入り交じる可能性があります。
購入者が別の誰かに商品を贈る際には、顧客情報が複数登録されます。
さらにはギフトの時期は需要も増えますので、通常期に比べてさらに購入数が増加することが予測されます。

スムーズなEC物流に必要な業務フローの概要を紹介

続いて、EC物流における代表的な6つの業務フローをご紹介いたします。

入庫業務

在庫管理担当者の指示に従って入庫伝票を確認しながら、届いた商品を倉庫に運び入れる作業のことです。
BtoC-ECでは、1件あたりの入庫商品数は多くありません。
しかし、その分商品の種類や出荷先の数が多くなる傾向のため、効率的な商品管理が必要になります。

検品業務

入庫伝票通りに、商品が入荷しているかどうかを確認する作業のことです。
具体的には、商品の内容(数量や規格など)が正しいかを入庫伝票と照合して確認します。

ここで見落としがあると、以後の業務に支障が生じるため、業務フローの中でも重要な作業の一つといえるでしょう。

EC物流の検品業務においても前述の入庫業務同様、出荷先に応じた細かな検品業務が必要となります。

棚入れ業務

検品が終了した商品を出荷まで保管する業務です。
棚入れ業務は、各倉庫のルールや商品の特性に応じて行われるため、検品業務と同じく正確さが要求されます。

また、商品によって入出庫の頻度には差があることから、作業がスムーズになるように
「入出庫の頻度が高い商品は棚の前面に置く」などの棚入れも必要です。

ピッキング業務

注文を受けた商品の品番や個数などを出庫伝票と照合し、棚から取り出す作業のことです。
スピーディーな作業を実現するためには、商品のロケーション管理や、スタッフが無駄なく動けるような動線の確立が重要です。

梱包業務

ピッキングした商品を、封筒やダンボールに梱包する作業です。
この際、商品が損傷しないように各商品に合わせて緩衝材や保冷剤などで保護する必要があります。
EC物流においては通常の梱包と、ギフトラッピングなどのオプションが入り乱れるケースがあります。

出庫業務

EC物流の業務フローの中で、最後に行うのが出庫作業です。
届け先の住所や、氏名などを入力して誤りがないかを確認します。

例えば、「日時指定あり」の場合は、その旨の記載を忘れないだけでなく、運送業者への確認も大切です。
ここでミスをすると顧客に迷惑がかかるため、入念なチェックが必要になります。

EC物流の主な課題と解決法を紹介

続いて、EC物流において考えられる課題と解決方法を下記の2つについてご紹介いたします。

  • 在庫管理の混乱
  • 梱包業務の混乱

在庫管理の混乱

これまでご説明した通り、1件あたりの配送数が少ない一方で配送先が多い傾向にあるため、在庫管理が混乱してしまう課題が挙げられます。

▼ 在庫管理の混乱の解決例

例えば、季節限定品や、特にECでは期間限定で大々的にバナーにより告知されているなど、
ある程度購入されやすい商品を予測することができます。
EC担当者やマーケティング担当者と連携して、購入されやすい商品をピッキングしやすい位置に配置する方法は
比較的手を出しやすい解決方法かもしれません。

梱包業務の混乱

商品ごとの梱包内容を細分化した結果、梱包業務が混乱してしまう課題も考えられます。

▼ 梱包業務の混乱の解決例

商品ごとの根本内容を可能な限り統一できないか、見直ししてみることでも改善が期待できます。
御礼の手紙を商品ごとに変えている場合、特に繁忙期などは梱包のミスが発生しやすくなる可能性があります。
納品書を同梱している場合は、購入者に手元で印刷してもらえるよう仕組みを整えて、
可能な限り封入物を減らすことで梱包業務の混乱を緩和できるかもしれません。

まずはEC物流の業務フローごとに見直しを行いましょう

EC物流の改善を図る際には、まず業務フローごとの見直しから始めるようにしましょう。
通常の物流と比べて、ECならではの特徴に応じた課題も考えられます。
中にはすぐに試すことができる内容もありますが、一定の規模になると根本的にシステムを導入しなければ改善できない課題もあります。

寺岡精工ではEC物流においても改善に繋がるシステムをご提案しておりますので、ご興味がありましたらお問い合わせください。

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