物流センターの業務改善手引き!6つの業務フローと改善ポイントをご紹介

ピッキング作業改善

通信販売のニーズ拡大などにより、物流の役割がますます重要視されています。
しかし、実際には業務上の課題を抱えている物流センターも少なくありません。

課題を解消することで効率化や収益アップの実現が期待できますが、まずは課題の整理を行わないことには解消の糸口が掴めないでしょう。
課題を整理する上で、その課題がどの業務フローで生じているのかを確認することが必要です。

この記事では物流センターにおける6つの業務フローから、個々の改善ポイントをご紹介いたします。

物流センターの6つの業務フロー

物流センターの業務は大きく6つの段階に分けられます。
業務改善を目指す上では、それぞれの手順について把握しなければなりません。

①入荷・入荷検品

荷物を受け取って、入荷予定のリストと照らし合わせることが基本的な流れです。
照合結果に問題がなければ、2つ目の「入庫」を実施することになります。

②入庫

商品の数量や置き場所を決め、商品在庫データをシステムや台帳などに計上することを指します。
倉庫のどの場所にどう置くかなどのロケーションが決まっており、所定の位置に保管することで「入庫」が完了となります。

③保管

実際に荷物をその場所に格納していくことが3つ目の「保管」に該当します。
管理しやすいように工夫して保管し、劣化を防ぐために温度や湿度などの調節も実施します。

④出庫・仕分け

荷物を倉庫から出すために必要な一連の作業を実施します。
対象の荷物をピッキングして、種類や配送ルート別に分類していくことが一般的です。

⑤流通加工

その後、商品として付加価値を付けるために「流通加工」を行います。
タグ付けやラベル貼り、組み立てなど、指定された方法によって出荷できる状態に仕上げなければなりません。

⑥出荷検品

6つ目として実施するのは、誤出荷を防ぐために必要な「出荷検品」です。
荷物と出荷依頼のリストを照らし合わせて、数量や納品先などに間違いがないことを確認していきます。
続けて、ダンボールなどで梱包し、出荷の準備を終わらせるまでが一連の流れです。

業務フロー別・物流センターの業務改善ポイント

上記に紹介した物流センターの6つの業務フローごとに業務改善ポイントをご紹介していきます。

①入荷・入荷検品の業務改善ポイント

ハンディターミナルと呼ばれる携帯端末を使用することが改善ポイントのひとつです。
リアルタイムでデータの収集や処理を行えるため、紙製のリストを用いて照らし合わせるより時間の短縮が可能です。
荷物のバーコードから商品情報を読んで入荷予定情報と照合することで、自動的に入荷した荷物が合っているかチェックが可能です。
目視と手作業では対応しきれないほど入荷数が多くても、照合作業の改善を行っておくとスムーズに遂行できるでしょう。

②入庫の業務改善ポイント

入庫の業務フローにおける重要なポイントは在庫数を正しく把握し「正確に入庫すること」です。
もし誤って計上してしまうと、在庫管理システムや台帳に登録されている在庫数が実情と合わなくなってしまいます。
在庫差異と呼ばれる状態であり、倉庫内の非常に面倒なトラブルの一つです。
入荷予定の数と実際の入荷数が異なる状況下に発生しやすいため、事前にマニュアル整備をしておくと改善につながります。
また、入庫時に採寸計量器などを使用して商品サイズを採寸計量・マスター管理することで、梱包サイズの最適化や棚保管時の効率を向上することができます。

③保管の業務改善ポイント

保管の改善を行う際は、その後の業務フローを意識することが大事です。
具体的には、出庫の負担が減るように配慮する必要があります。
荷物を棚などに格納する際、あとでピッキングを円滑に行えるようにするため、取り出しやすさや通路からの視認性が良くなるようにロケーションを工夫しましょう。
また、盗難が起こると業務フローが遅れるだけでなく、企業間の賠償問題などに発展するケースもあるため、セキュリティ面の強化も忘れてはいけません。

④出庫・仕分けの業務改善ポイント

速さと正確性がトレードオフの関係にある作業といえます。急いだ分だけミスの発生するリスクが高まる可能性があります。
両立させるために自動制御ロボットを利用するという手もありますが、費用・規模の側面から、実際に導入ができるのは一部の大手企業に留まっています。

多くの場合、現実的な改善策となるのはデジタルピッキングシステムの導入です。
このシステムでは、棚に取り付けられた表示器が点灯したら、スタッフは台車を押して点灯した棚に移動します。
そして、表示器のモニターに出ている個数だけピッキングします。

また、仕分けの際にハンディターミナルで荷物のバーコードを読み取り、分類に必要な情報を表示させることも改善に役立ちます。

⑤流通加工の業務改善ポイント

内容や担当者によって効率が変わりやすい業務のひとつです。
加工ミスが原因で返品された場合、物流企業の責任になるだけでなく店や企業の信用問題につながるため、集中して慎重に取り組まなければなりません。
可能な限り、経験が豊富で作業のコツを多く把握しているベテランスタッフを割り当てましょう。
とはいえ、そのような人材を確保し続けることは難しいため、マニュアルの作成や研修の実施により、安心して任せられるスタッフを増やすことも重要です。

⑥出荷検品の業務改善ポイント

誤出荷を防ぐ最後の砦となる業務のため、高い精度が求められます。
したがって、2人体制や3人体制のチェックを行うケースがありますが、人件費や時間の問題で実施が難しいことも多いです。
その場合、やはりハンディターミナルを活用して正確に出荷検品を行うことがポイントとなります。
荷物ごとにスキャンして納品先などの情報を確認していけば、誤出荷のリスクを大きく下げられます。

その後の出荷工程においては、荷物の仕分けを自動化するソーターの導入によって作業を効率化することができます。

生産性アップの鍵は業務フローと改善ポイントの把握

物流センターの生産性が低いと感じたら漠然と課題解決に着手するのではなく、まずは課題の整理から始めてみるのもひとつの手段です。
ボトルネックになっている業務フローを見極めて見直すだけで、全体のパフォーマンスが大きく向上することも珍しくありません。
成功率を高めるためにも、業務フローごとの改善ポイントも事前に理解しておきましょう。

物流システムを活用した業務改善

物流センターの業務改善手引きを、6つの業務フローと改善ポイントからご紹介しました。
物流業務改善のためのヒントは得られましたでしょうか。
改善のためには、スタッフの教育やフロー改善のほか、物流システムやマテハン機器などを導入して効率的に改善を図るという方法もあります。
業務効率化・省人化に向けて、物流システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

寺岡精工では、既存の作業環境や設備を活かして導入できる物流・計量システムを多数ご提案しております。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にご相談くださいませ。



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