ピッキング作業改善のヒントとは?すぐにできる工夫からシステムの導入まで
倉庫業で重要な仕事のひとつといえば、ピッキング作業です。
出荷作業をスムーズに行えるかどうかはピッキングにかかっていますが、何かと問題が起きやすい作業ともいわれています。
ピッキングを効率化するにはどのようなアプローチが必要なのでしょうか。
本記事ではピッキングでよくある問題から改善するためのポイントやシステム導入などについて解説いたします。
改善ポイントの前に抑えたい、ピッキング作業で発生する問題とは
ピッキング作業では、時々ピッキングミスが発生します。
ピッキングミスとは商品を数え間違ったり、出荷すべき商品とは違うものを運んだりするといった事故を指します。
ピッキングミスが発生すると考えられるケースを具体的に見ていきましょう。
①紙のリストを用いているケース
紙のリストを頼りに商品を整理するピッキングでは特に問題が発生しやすくなります。
倉庫内には似たような商品がたくさんありますので、パッケージや品番を見間違えるリスクは常にあるといえます。
いくらチェック体制を万全にしていても、人が行う作業である以上ヒューマンエラーはつきものです。
②商品棚へ辿り着くまでに問題があるケース
倉庫が広い場合や注文の量が膨大になると、ピッキングの移動時間がネックとなります。
棚の配置がよくなかったり通路が狭く台車が通りにくかったりすると効率の良いルートが通れなくるため、移動時間はますます長くなります。
また、移動時間が長くなるほど疲弊して集中力がなくなるため、ヒューマンエラーが発生する確率も上がってしまいます。
③商品棚で商品を見つける作業に問題があるケース
やっと商品の場所にたどり着いたものの、そこから目的のものを見つけるのに時間がかかる場合もあります。
商品がなかなか見つからない原因としてまず挙げられるのは、商品の置き場所がはっきり決まっていないケースです。
特定の人しか置き場所を把握していない倉庫では、ピッキング作業の効率が著しく落ちます。
また、ピッキング指示書の内容が不十分なときも、商品は見つけにくくなるでしょう。
ピッキング作業の改善ポイント
ピッキング作業で発生する問題を抑えた上で、具体的な改善ポイントをご紹介いたします。
①レイアウトの工夫
ピッキング作業を効率化するにはヒューマンエラーを防ぐ必要があります。
しかし、いくら口頭で注意するように促しても、人為的なミスはそう簡単には減りません。意識改革に力をいれるのも悪くないですが、倉庫内の環境に目を向けてみてください。
商品のレイアウト
まず、商品棚における商品の置き場はきっちりと決めるようにしましょう。
特定の人だけが商品の置き場所を把握している状況をなくすべきです。
そして、商品置き場のレイアウトも見直したほうがよいでしょう。取り出す頻度の高い商品はできるだけ手前に置くようにします。
類似の商品を同じグループとして同じ棚に置いている倉庫もありますが、これはピッキングの間違えを誘発しやすいです。
類似品同士はできるだけ離れた棚に置くのが望ましいです。
商品棚のレイアウト
ルートの最小化を目指すために、棚と棚のスペースは十分に開けて通行を妨げることがないようにしましょう。
レイアウトを改善すれば、移動距離が最短になるので、移動時間は削減されるはずです。
②ピッキング指示書の工夫
ピッキング指示書の内容もできるだけわかりやすくしましょう。
ベテランだけが理解できるフォーマットではなく初心者がみても、商品の置き場がわかる指示書が理想です。
基本的に、ピッキング指示書は品番・数量・ロケーションがあればこと足ります。
ピッキング指示書がシンプルであれば、どの作業員に仕事を任せてもクオリティが揃いやすくなるでしょう。
商品を品出しするときにケースを開いて置いたり、向きを作業者の方向に向けたりといったちょっとした工夫でもピッキング作業は効率化されます。
品出しのときに少し時間がかかるかもしれませんが、全体でみると作業時間の削減に繋がります。
③ピッキングシステムの導入
ピッキング作業を効率化するために、システムを導入することもひとつの手段です。
例えば商品の数が多く手順が複雑なピッキング作業の場合、新人が仕事を覚えるのに時間を要することが考えられます。
必然的に新人研修にも時間を要するため、教育コストが高くつく問題が起こり得ます。
デジタルピッキングシステム
このような問題に対して、デジタルピッキングシステムを導入することで改善する可能性があります。
デジタルピッキングシステムとは棚に表示器を設置することで、ピッキングに必要な情報を文字やランプで示してくれるものです。
作業員はシステムが指示する通りに作業すればよく、初心者でも一定の作業品質が保証されます。
バーコードを利用したピッキングシステム
バーコードを利用したピッキングシステムも人気が高いです。
このシステムを利用すると、目視でリストを確認しなくてもすむようになるので、運ぶ商品を見間違えるリスクはありません。
また、商品の数も自動でカウントしてくれます。
目の前に段ボールがたくさん積まれていても、機器をかざすだけで正確な数が表示される仕組みです。
ピッキング作業の効率化は作業環境が鍵を握る
ピッキングは手作業に頼る部分が多く、ミスが発生しやすい作業です。
ダブルチェックなどの施策を取るだけではなく、倉庫の環境を見直し、効率よく動ける現場を目指しましょう。
ちょっとした工夫で作業が劇的にやりやすくなるケースも珍しくはありません。
また、ピッキングのためのデジタル機器も色々と出てきていますので、ニーズにあったものが見つかれば導入を検討してみてもよいでしょう。
ピッキングカートを活用した業務改善
ピッキング作業改善について、すぐにできる工夫ポイントやシステム導入からご紹介しました。
業務改善のためのヒントは得られましたでしょうか。
業務効率化・省人化に向けて、工夫ポイントの実施およびピッキングシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
寺岡精工では、既存の作業環境や設備を活かして導入できるピッキングカートシステムを多数ご提案しております。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にご相談くださいませ。
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