物流システムの基礎知識!機能と種類について
企業やショップが顧客に商品を届けるためには物流体制を整えておく必要があります。
物流は事業者にとって「血液」のようなものであり、必要な場所に必要なモノを届けたり保管したりする仕組みです。
物流体制の整備は顧客満足度の向上や業務効率化に重要なポイントであり、物流システムの導入がその手助けとなるでしょう。
今回は物流システムの基礎知識として、機能や種類、導入によって起こり得るメリット・デメリットを紹介します。
物流システムとは何か
まずは物流システムの概要についてご説明していきます。
物流システムの5つの要素
物流には下記の5つの要素があります。
- 「輸送」
- 「保管」
- 「荷役」
- 「包装」
- 「流通加工」
物流システムとはこうした物流に関する一連のプロセスを包括的に管理し、効率化やコスト削減を実現するための仕組みです。
この5つの要素はどこかひとつに注力すれば効果が出るという訳ではありません。
1つのポイントにおける変化が、別のポイントにも変化を及ぼす可能性は高いでしょう。
そのため、物流工程を総合的に管理できるシステムが有効に働く場合があります。
物流システムの種類
では実際に物流システムにはどのような種類があるのか解説していきます。
物流システムの3種類のサービス
物流システムは大きく分けて3種類のサービスがあります。
- 必要ポイントに必要なシステムだけを導入する「カスタム型」
- 固定された、いくつかのプランからサービスを選択する「パッケージ型」
- インターネット上で提供されているサービスを利用する「クラウド型」
自社の課題点や予算に合わせて適切なサービスを利用しましょう。
物流システムの2種類の機能
物流システムにはそれぞれのプロセスを管理するためにいくつかの種類が設けられており、
「倉庫内商品管理」と「商品配送管理」の2つに大別することができます。
前者は「WMS(Warehouse Management System)」、
後者は「TMS(Transport Management System)」と呼ばれているので覚えておきましょう。
それぞれに異なる機能が備わっているため、自社に必要なものを把握しておくことが重要です。
▼WMSの機能
WMSには「入荷管理」「棚卸管理」「在庫管理」「出荷管理」の4つの機能が備わっているのが一般的です。
入荷管理
仕入れる商品の数・種類・仕入れ予定日などを正確に把握することができるようになります。
倉庫内スペースの有効活用や在庫回転率向上に繋がる機能です。
棚卸管理
年に数回行われる棚卸しのための指示書作成や実績・報告管理が容易になるため、重労働になりがちな棚卸しの負担が軽減するでしょう。
在庫管理
倉庫内のどこに・何が・どれだけ保管されているかを正確に管理できるので、次回の発注や出荷に対するフットワークを軽くすることが可能です。
出荷管理
受注伝票の作成や商品のピッキング・梱包といったプロセスは出荷管理機能で行うことができます。
▼TMSの機能
TMSは商品を無事に顧客の元へ届けるために重要なシステムです。
機能としては主に「配車管理」「進捗管理」「実績管理」などが備わっています。
配車管理
出荷方法の選定から配送トラックの手配、配送予定日の算出などを行う機能です。
配送に必要な運賃の算出や発送伝票の作成を行う事もできます。
進捗管理
また、商品は顧客に発送したらそれで終わりではありません。
出荷した後の配送状況や拠点の通過時刻を管理するためには進捗管理機能の導入が重要になります。
この機能によって直接ドライバーや管理担当者に連絡を取らなくても、一元的な配送進捗状況の管理が可能です。
実績管理
ドライバーが作成する業務日報を自動生成する仕組みを整える機能です。
ドライバーの負担を軽減する事で迅速な配送を実現し、顧客満足度の向上にも繋がります。
物流システムの導入によるメリット・デメリットとは
物流業務における課題がある場合、物流システムの導入は自社にとってメリットをもたらします。
しかしながら当然、デメリットも考えられますので抑えておきましょう。
物流システム導入のメリット
社内業務効率化
物流システムの導入によって、従来手作業で行われていた作業の多くを自動化することができます。
人間の手による作業が本当に必要な業務に人手を割けるので、社内業務効率化に大きく貢献します。
業務全体の「見える化」
業務効率化が実現すると結果的に社内の業務プロセスが整理されるため、業務全体の「見える化」にも繋がります。
仕入れ・売り上げの数値を考慮しながら業務プロセスを見直して、不必要な業務のカットや課題が残る業務へのてこ入れに取り組んでいきましょう。
廃棄ロス・不必要な仕入れの軽減
物流システム(特にWMS)を導入すると在庫数と出荷数の管理が正確かつ効率的に行えるようになるため、廃棄ロス・不必要な仕入れの軽減に繋がります。
物流システム導入のデメリット
費用
業務プロセス全体の改善に大きな効果が期待できる物流システムですが、導入に際してはある程度の費用が必要になります。
パッケージ型・カスタム型・クラウド型でそれぞれ費用相場が異なるため、自社の課題点解決に適したサービスを選ぶことが重要です。
不必要な機能が備わっているサービスを活用しても、優れた費用対効果は期待できないでしょう。
導入に際する準備コスト
物流システムの導入には現場で働く人間の理解が必要になります。
事前にアンケートをとるなどして現場からの要望を的確に汲み取り、実際に導入が始まるまでにはしっかりと周知するように努めてください。
大規模なシステム導入においては現場で多少の混乱が付き物です。
従業員が慣れるまでの時間を短縮できるかどうかは、事前の準備にかかっているという認識を持っておきましょう。
物流システムは現代ビジネスのキーポイント
ECサイトや通信販売の普及によって、消費者はどこに居ても商品を購入できるようになりました。
企業としては顧客に素早く商品を届けるだけではなく、そのために商品を的確に管理する取り組みが必要です。
これはBtoC、BtoBを問わず同じことが言えます。
物流プロセス全体の効率化やコストカットを実現するためには、物流システムの導入が近道です。
自社に必要な機能を見極めて、コストパフォーマンスの良いサービスを選びましょう。
物流システムを活用した業務改善
物流システムの基礎知識として、機能や種類、導入によって起こり得るメリット・デメリットをご紹介しました。
物流業務改善のためのヒントは得られたでしょうか。
業務効率化・省人化に向けて、物流システムの導入を是非ご検討してみてください。
寺岡精工では、既存の作業環境や設備を活かして導入できる物流・計量システムを多数ご提案しております。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にご相談くださいませ。
-
入庫・出荷
荷物や商品の寸法・重さを簡単な操作で計測できる、物流向けの自動採寸計量器
-
入出庫・保管
入出庫・在庫・配合作業をサポートし、トレーサビリティ化を実現するシステム
-
ピッキング作業
工場や倉庫のピッキング・仕分け作業を効率化するピッキングカートシステム